印刷オペレーターにインタビュー
「ひしげんのひきだし」記事に続き、『デザインのひきだし53』へ提供した弊社実物サンプルを担当した印刷オペレーターのインタビューをお届けします。
特色インキを多用した印刷ですが、 普段のカラー印刷との違いはなんですか?
CMYKの4色のインキを使って細かな網点を複雑に組み合わせることによって擬似的に様々な色を再現するのがカラー印刷。再現したい色をそのまま1色のインキだけを用いて印刷するのが特色印刷です。
UVオフセット印刷機での印刷でしたが、 メリットを教えてください
UV印刷機一番のメリットはなんと言っても「速乾」です。油性の印刷機での悩み事である「裏移り・パウダーを振る必要・ドライダウンによる乾燥後の色調変化」などが無く使い勝手の良さが魅力です。
一部サンプルではメタリックインキ[金]を用いましたが、 通常のインキとの違いはありますか?
金インキは、通常のインキに比べて転移性が悪く水幅が狭いため扱いが難しいインキです。 上手に刷るためにはローラーのニップ調整などの機械メンテナンスをしっかりと行い、湿し水をできるだけ絞って印刷するオフセット印刷の基本がとても重要になります。
今回の印刷で特に気を配った点、 難しかった点などを聞かせてください
自分が楽しみにして買った本の印刷がイマイチだとがっかりした気分になることがあります。今回は自分が印刷したものが本になるということでしたので、読者の方々が楽しんでいただけるよう気持ちを込め「一枚入魂」で印刷しました。 オフセット印刷はインキ、水、紙の3大不安要素との戦いでいつも難しく感じていますが、今回の経験をこれからの印刷に活かしていきたいと思います。
印刷機について【H-UVオフセット印刷 4色】
・機種名 LITHRONE A37 (小森コーポレーション)
・対応用紙サイズ A全判
乾燥待ち時間が無いため、すぐに反対面の印刷が行えます。(→オフセット印刷について)
弊社「SDGs」の取り組みの一例として、今回の実物サンプルに関わる事をご紹介いたします。
障がいのある方の活躍の場を
弊社敷地内に所在する福祉施設・就労継続支援B型「やまもも園」。利用者のステップアップ(施設外就労)の場として、〈梱包〉作業などをお願いしております。
従来の現像工程が不要な「製版」
面付けデータからダイレクトに刷版を出力する機材〈CTP〉。弊社では、2019年から現像・洗浄工程が不要の「無処理版」対応機を導入。現像廃液を無くし、環境への負荷を減らしています。また、刷版出力工程のスピードアップにもつながっています。
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